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内面塗装に強くなる—スプレーガンでどう塗るか?

内面塗装に強くなる—スプレーガンでどう塗るか?

スペースの限られる内面コーティングは、多くのユーザーの頭を悩ませる仕事。小型ヘッドが付いたロングノズルでのスプレーは、その有効な解決手段です。どんな種類があるのか、どのように使えばいいのか、本コラムで解説します。

狭い口を通すなら、ロングノズル付きスプレーガン

ビンや化粧品容器などの内面コーティング。口が小さいためスプレーガンを入れられず、塗装しづらいワークです。そんな時に有効なのが、ロングノズル付きのスプレーガン。ルミナのC8シリーズの場合、ヘッドの大きさは7-9ミリ角と小さく、最小で直径13ミリの口に通すことができます。

 

 

ヘッドのスプレー角度は90度横吹き、45度斜め吹き、120度斜め手前吹きなど。90度横吹きは内面コーティングの標準的なヘッドです。スピンドル装置で回転させたワークの中に突っ込み、スプレーしながらゆっくりと引き抜くことで、内面をきれいに塗れます。

 

狭い箇所に斜め45度吹きが向いている理由

ワークが小さい場合、90度横吹きではワーク内壁との距離が近すぎて、スプレーした塗料がはね返ってしまいます。そうした場合、斜め吹きの45度ヘッドが有効です。真横に吹くよりもワーク内壁との距離を取れるため、塗料をしっかりと塗着させられます(中央イラスト)。

 

 

また、容器の底が盛り上がっていると、90度ヘッドではビンの隅を塗れません。この場合も、斜め前方にスプレーする45度ヘッドが使えます。

 

ビンの肩を塗るのに最適な角度は?

そして、ビンのコーティングで最も難しい箇所が「肩」です。90度ヘッドでは角度が浅くなるためはね返ってしまい、塗料が付きにくいです。120度ヘッドは、この肩の部分に正面からスプレーし、しっかりとした塗装面を形成します。

 

「120度ヘッドで肩は塗れたが、今度は別の箇所が塗れない」。そんな場合、2本ないし3本のノズルを使い分けて、順に塗っていきます。「メンテナンスは必要ですか?」というのもよく聞かれる質問です。液体にもよりますが、原則として洗浄は必要です。C8ヘッドは小型で詰まりやすいため、ヘッドを洗浄液に漬けるなど、こまめな洗浄をお願いします。

 

対象物の直径により、最適なノズルは変わる

C8シリーズ以外にも、ルミナには内面塗装に使えるロングノズルが多くあります。たとえば、φ4.6らせん、真鍮管らせんなどのらせんパターンノズル。らせん気流の遠心力を利用してミストが外側に広がるため、スプレー角度が20〜25度と広角です。そのためミストは広がりながら、ワーク内壁に塗着します。このタイプの場合、ワークを回転させる必要はありません。また、ワークの直径が7ミリ以下と小さい場合には、直径2ミリの極細針ノズルもあります。どのタイプが最適かはワークの直径により変わります。

 


ハンドガンで金属フレームの折り返し部を塗る

ロングノズル付きスプレーガンには、ハンドガンもあります。H型鋼やコの字型、鉤型のフレームにハンドガンで塗装する場合、折り返し部分をどう塗るか、悩まされます。下のイラスト(左)のように、ロングノズルの先に90度横吹きのヘッドを付ければ、こうした難しい箇所も塗りやすくなります。

 

 

また直径の比較的大きいパイプの内面塗装では、全方向に開く360度ヘッドを付けたハンドガンが使えます(イラスト右)。噴射管は種類や長さを選べます。パイプが長ければ、噴射管を長くすることで奥まで塗ることができます。

 

ロングノズル付きスプレーガンは本体、噴射管、ヘッドの3つの部分で構成され、それぞれについて種類を選ぶ必要があります。最適な機種はワークの大きさ、形状、液体の種類により異なります。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問合せください。

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